天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「ちょっと純粋培養しすぎたかも。色恋沙汰は鈍感なんだな」

「純粋培養?」

「そう。あやしい虫がつきそうなときは、兄貴面して追い払ってたからなぁ」

「なにそれ……」


 近づいてくる男性をけん制してたってこと? 

 思い起こすと、高校生のときにクラスメイトの男子に家まで送ってもらったら、なぜか陽貴さんが出てきて、『季帆がお世話になりました。もう大丈夫ですから』なんて丁寧にあいさつしていたような。

 まさか〝もう来るな〟という意味だった?

 あんぐり口を開けていると、彼はニヤリと笑う。


「ま、知らなくていいよ。季帆はもう俺のものだし」


 〝俺のもの〟なんて独占欲をあからさまにされるとくすぐったい。


「なにかあったら、すぐ俺の耳に入れろ」
「うん」


 その日は途中で一度病棟から電話が入り薬剤量の指示をしていたが、それ以外は穏やかに過ごせた。

< 143 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop