天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
そして一瞬の気の緩みも許されない緊迫した状況が続く中、毎日最善を尽くしている。
そんな彼を見ていたら、私もずっとくよくよしていてはいけないと思い始めている。
「本当は息が止まりそうだった。でも、陽貴さんがいてくれたから大丈夫」
私が伝えると、彼はゆっくり腕の力を抜いた。
「季帆……」
「怒ってくれてありがとう。殴らないでくれて、ありがとう」
「お前ってヤツは……」
彼はあきれ声を出しつつも、口角を上げる。
「明日の検査オーダーまだ出てなかったよ?」
「ヤバ。忘れてた。師長に叱られる」
もう今日はオペはない。
しかし、オペから戻ったあとずっと患者さんの家族に今後の検査や治療方針を説明するムンテラをしていたので、明日以降の準備が終わっていないはずだ。
「おいしいご飯作って待ってるね」
私が笑顔を作ると、彼も表情を緩ませた。