天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「俺に体力つけさせてどうするつもり?」
「ん?」
「新しい夜のお誘い方法か? 最近足りてないよな、ごめん」
「違うって!」


 焦って否定したが、彼は「期待してて」とクスクス笑っている。

 一方私は、真っ赤に染まっているだろう自分の顔を想像して恥ずかしくなった。


 陽貴さんが連れていってくれたのは、個室のある落ち着いた雰囲気のフレンチレストラン。

「静かなところがよくて」という彼の気持ちがわかる。
 病院にいる間は常に戦闘態勢で、心が荒立っているからだ。

 だから家ではリラックスできるように、部屋をごちゃごちゃ飾らずシンプルにしたり、お風呂のときはいい香りのする入浴剤を用意したりと、配慮しているつもり。

 けれども、その程度では全然足りない。
 今日、片山さんの話をしたときにそう感じた。


「これ柔らかーい。口の中でホロホロ崩れる」
「だろ?」


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