天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 しばらくして落ち着いたようで陽貴さんたちは戻ってきたが、難しい顔をしている。


「片山さん、どうですか?」


 師長が陽貴さんに尋ねた。


「今後に大きな不安を抱いています。そろそろ告知を考えたほうがいいかもしれません」


 今まで通りにはいかないという告知と、チームから戦力外通知を受けたという告知は、この先避けては通れない。


「そうですね」


 師長は大きなため息をついた。


「香月。頼みがある」


 そのあと私は陽貴さんに手招きされて、休憩室に向かう。


「なんでしょう?」
「片山さんのお母さんを気にかけておいてくれないか?」
「お母さん?」


 彼は深くうなずいて、イスに深く腰掛けた。


「お母さん、事故で打ちのめされた挙げ句、息子さんがあんな状態なのに自分は弱音を吐けないと頑張りすぎている」

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