天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 すると廊下に小柄でかわいらしい女性がいて、じっと片山さんの部屋に視線を送っているのに気がついた。


「お見舞いですか?」
「ち、違います」


 話しかけると、彼女はそそくさと足を速めて離れていく。
 そのとき陽貴さんとすれ違い、彼は彼女の姿を目で追っていた。

 私は陽貴さんのそばに歩み寄り話しかける。


「今の女性、片山さんの病室をじっと見ていらして」


「あぁ、片山さんの元婚約者だ。ICUには来ていたが、厳しい状態だと知って婚約を解消したと聞いている」

「彼女のほうから?」


 彼は神妙な面持ちでうなずく。


「片山さん、知ってるんですか?」
「それはまだ話してない」


 まさか、そんな事態になっているとは。


「カンファレンス終わったから帰れるんだ。駐車場で待ってて」
「うん」


 私は一旦彼と別れて、病院を出た。



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