天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「片山さん、また口を利いてくれなくなっちゃった」


 天野さんが、ふぅとため息をつく。

 最近は天野さんとも打ち解けてきたと感じていたのにな。


「うん。今はつらい時期だよね。失った機能を思い知らされてるんだから」
「でも、リハビリしないと始まらないよね」


 その通りだけど……。


「そうなんだけど、片山さんは初めてだから」
「初めて?」


 首を傾げる天野さんを見て続ける。


「天野さんは社会復帰していった患者さんを見てるでしょ? だからリハビリに価値があるとわかってる。でも経験のない片山さんはリハビリの先を知らないのよ。今はいらだちと不安だけ」

「そっか……。納得。もっと根気よく付き合わなくちゃね」

「うん。私も顔を出してみるね」


 プリン詣でが終わってから、毎日病室に通わなくなった。
 しかし、時々帰りに寄って様子をうかがっている。

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