天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「あの先生、里香を追いかけようとした香月さんを『季帆』って呼んでた」


 そうだっただろうか。
 あのときは安田さんのことで頭がいっぱいで覚えていない。

 多分陽貴さんもとっさにそう呼んでしまったのだろう。

 私たちの関係は秘密にしてあるのに、なんと答えるべき?

 焦っていると、ノックの音のあとになんと陽貴さんが入ってきて、私の横に立った。


「彼女は渡しませんよ」
「盗み聞きとはたちが悪い」


 ふたりの会話を固唾を飲んで見守る。


「嫉妬深い男なんで、俺」


 私たちの仲を認めたような言葉を続ける陽貴さんだが、焦る様子もなく余裕の笑みすら浮かべている。


「やっぱりそういう関係なのか」
「医者じゃなく男として話していいですか?」
「さっきからそうだろ?」


 片山さんはおかしそうに笑みをこぼしている。


「いい女でしょう? 季帆」
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