天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「あぁ、違いますよ。そのときの倉田、普段クールなくせして目尻が下がってて、あからさまに〝お前らより妹なんだよ!〟オーラがね。デレすぎだって」

「うるさい。もういい」


 陽貴さんは木藤先生の話を止める。

 今度キョトンとするのは私のほうだった。
 他の人の前で陽貴さんがデレるなんて、信じられない。


「だから結婚と聞いたときは、倉田の一途な恋が実ったんだとうれしかったなぁ。これからも頼みますね。家族は支えなんです」


 笑顔の木藤先生の声が震えたのに気づいた私は、陽貴さんを見てしまった。
 彼は一瞬眉根を寄せたもののすぐに口元を緩める。


「今度、ガキ大将にも会わせてくれよ」
「もちろん。覚悟しろよ、やんちゃだから」


 木藤先生は息子さんを思い浮かべているのか、すこぶる優しい顔をしていた。



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