天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
「私の友人の外科医は、いつも彼女を器械出しに指名していたそうです。とてもやりやすかったと。その外科医に聞いた話だと、倉田の話のほうが正確のようですね。例の先生、脳外を外されませんでしたか?」


 木藤先生にまで気を使わせて申し訳ない。


「脳外を外れたのは、その件とは関係ないはずです」


 長崎先生は反論する。

 医療ミスからつながっての左遷だとは知らないらしい。


「私は……ミスをしていません。先生の腕に触れたなんて、絶対にありえません」


 声を振り絞ると、長崎先生ににらまれた。


「でも、証明できないでしょ?」


 それを指摘されると黙るしかない。

 あのときオペ室にいた何人もが私に非はなかったと証言したが、確実な証拠を出せと追及されるとお手上げだ。


「長崎先生に証明する必要、あります?」


 陽貴さんは冷たく吐き捨てた。
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