天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 その日は帰宅して夕食の準備をしたあと、陽貴さんの書斎から引っ張り出してきた医学書で勉強をしていた。


「ただいま」


 陽貴さんが帰ってきたのは十九時半。
 珍しく早い。


「おかえりなさい」


 玄関で出迎えると、「勉強してただろ」と笑う。


「なんでわかったの?」
「季帆はそういうヤツだから。でも、無理しすぎるなよ」


 私をねぎらう彼は、軽いキスを落とす。


「陽貴さんこそ。ご飯できてるよ」


 私はキッチンに行き、作ってあったおかずを温め始めた。
 いつ帰るかわからないことが多いのでいつもこのスタイルなのだ。


「いい匂い」


 彼は隣にやってきて鍋をのぞき込む。


「ビーフシチューです。陽貴さん、ニンジンもちゃんと食べてね」
「子供じゃないんだから」


 こうして煮込むとあまり好きではない野菜もたくさん食べてくれるのでうれしい。

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