天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい


「バイポーラ、マイクロ剪刀……」


 映像を見ながら次に必要になるだろう器具を口に出していく。

 その予測は時には間違うケースもあったが、現場では執刀医の指示に従えば問題ない。


「はー」


 無事に腫瘍が摘出されたときには、まるでオペに参加したかのように疲れきっていた。

 しかし、看護師として働いていたときの感覚が戻ってくるのを感じた。

 器具の名前を口にしながら、渡し方まで考えていたからかもしれない。


「次」


 陽貴さんは頑張りすぎるなと私を制したが、一度のめり込むとやめられない。

 それから別の映像を続けて見ると、時計の針が午前二時をさしていたので眠りについた。



 翌日からは陽貴さんにも教えを乞い、ブランクを埋めるべく改めて勉強をした。

 陽貴さんと一緒に映像を見ながら器具の名前を予測して口にしていくと「完璧」と褒められた。


< 333 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop