天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 でも自慢したいなんて目の前で宣言されては照れる。


「優秀なナースだそうで」


 陽貴さん、私をクラークではなくナースだと紹介したの?


「いえっ。ただのクラークです」
「えぇ。ナースもできるクラークですよね」


 その返しに驚いた。
 もしかしたら全部打ち明けているのかな。

 陽貴さんは仕事でもプライベートでもひとりで即決して行動できるような人だけど、相談相手も必要だろう。


「俺も応援してます。それじゃあ、邪魔しちゃ悪いから」


 日高先生はにっこり微笑みかけてから離れていった。



 陽貴さんの車は白のレクサスRX。
 スポーティなSUVで乗り心地は最高だ。


 今日は旅行用のスーツケースをもう積んである。
 空港に直行するのだ。

 私が助手席に座ると、彼はすぐに発進させた。


「日高、もうすぐ野上を出るんだ」
「出るって、退職?」


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