天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 三本柱のひとりが欠けるなんて、野上総合にとっては痛手のはずだ。


「うん。実家が病院を経営してて、週一でそこの外来も持ってる。院長にかなり引き止められたけど、病院を継ぐために医者になったんだからと最終的には認められた」


 そうだったのか。
 残念だけど、日高先生にしてみれば夢が叶うのだから笑顔で送り出さなければ。


「季帆がオペ看やってたって漏らしたら、うちにくれって言うから却下しておいた。俺の目が届かないところにやれるか」
「あはっ」


『目が届かないところにやれるか』なんて怒っているけど、挫折を経験した私を心配しているのだろう。


「陽貴さん、ごめんね」
「なにが?」


 ハンドルを握る彼は不思議そうな声を出す。


「世話の焼ける妹が、お世話になります」
「妹? 誰のことだ。本当はエロい妻なら知ってるけど」
「なっ……」


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