天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 そしてささやかれる甘い言葉にしびれそうになった。

 病院できびきびと働く彼の姿はどこにもない。
 これから三日間は私だけの旦那さまだ。


「たしか風呂が大きいはずだ。入るか?」
「うん」


 彼がバスルームに向かうので私もついていく。

 今住んでいるマンションのバスもジェットバスだが、この部屋は我が家の二倍くらいはある大きな浴槽がついていた。

 早速お湯をため始めると、陽貴さんがどこからか入浴剤を見つけてきた。


「いい香り」
「お湯が濁ったか。ま、季帆にはちょうどいいか」


 陽貴さんは意味ありげなつぶやきをする。
 なにがちょうどいいのかわかったのはその二十分ほどあとだった。


「無理だってば」
「無理じゃない。ふたりで入ってくださいというサイズだろ、あの風呂」


 お湯がたまったと陽貴さんに伝えたら、一緒に入るときかない彼にバスルームに連行されたのだ。

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