【完】セカンドマリッジライフ

湿らせた指先を舌で舐めて意地悪な顔をする。 演技をしている余裕さえ与えずに、私の中にするりと入り込んでくる。

肩で息をしながらビクビクと身体を痙攣させると「まだだよ」と彼はゆっくりと私の両足を持ち上げた。

抱き合う前から意識をし始めて好きになりかけた。 けれど抱き合ってからもっともっと利久さんを好きになる。

彼とのセックスが好き。 けれど終わった後にぎゅっと抱きしめてくれて優しいキスを落としてくれるところはもっと好き。

がっしりとした胸に包まれて目を瞑ると、そこにも小さな幸せを一つ見つけた。

「雪乃、髪が伸びたな…」

腕枕をしながら利久さんは私の髪へと指先を滑らせてゆく。

「そういえば、すっごい伸びたかも。 近いうちに美容室に行かなくちゃ。 カラーもしてないや」

モデルをやっていた頃は腰まである長いロングヘアーがトレードマークだった。
北海道に来るのを機にその髪をバッサリとショートヘアーにした。
けれどその髪も肩につく位いつの間にか伸びた。

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