【完】セカンドマリッジライフ

「七月になったら動物病院の三連休を取ろうと思うんだが」

「三連休?何かあるの?」

「東京に一度行こうと思って」

「東京…?」

「ああ。思えば勝手に結婚しちまって互いの両親に挨拶もしていない。
俺んちは雪乃が嫌なら全然行かなくてもいいけど。俺はけじめとして雪乃の家族には挨拶したい」

この結婚は初め恋愛に発展するようなものではなかった。 だから利久さんの気持ちの変化はとても嬉しかった。

私だって利久さんの育ってきた街も見て見たいし、両親にもご挨拶はしたい。

だから利久さんが私を想い、私の事を真剣に考えてくれているのはすごく嬉しい。 けれど、東京の街を歩くのは少し怖かった。

私の両親は私の決めた事ならば反対はしない。  そりゃあ、いきなり結婚してましたってのはさすがに驚くとは思うが……。

仕事を引退する時も私の体を一番に考え、反対はしなかった。 気持ちを尊重してくれた。

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