【完】セカンドマリッジライフ
16歳。 高校生の頃に雑誌のモデルにスカウトされた。
細身だった母親譲りで背が高く痩せていた私は、一般的に言えばスタイルが良い方の人間に分類される。
自分で言うのもなんだけど顔も小さく、小さな顔に大きな瞳と大きな口が際立っていた。 明るい性格で周りに人が集まるのは昔からで、何となく始めたモデルの仕事で人気者になるのは時間が掛からなかった。
高校を卒業してからは業界で働いた。男性よりも女性に圧倒的な支持を得ていた私は、10代の頃から数々の商品をプロデュースしてきた。
カラコンやらコスメ。はたまたアパレルまで。 そして私のプロデュースと名付けられた商品は飛ぶように売れた。 いつしかメディアに引っ張りだこになり、経済効果数億円のインフルエンサーと呼ばれるようになった。
元々楽観的な性格ゆえにその事態を余り重くは受け止めていなかった。
華やかな業界で、勝手に集まって来る黒い人脈。10代では使えきれないお金を手に入れるのと引き換えに、寝る間を惜しむほど忙しかった。