【完】セカンドマリッジライフ
初めは楽しかった。キラキラと見える世界の中心に立って、いつだってニコニコと笑顔を振りまく。 でもその中にあった闇や人々の思惑。
存在がお金になると良くない大人たちも沢山寄って来る。それに伴い、秋月雪乃という名前が大きくなればなるほどある事ない事メディアに書かれるようになった。
自分の誇りを持つ仕事に責任とプライドを持って生きて行く。 私が立ち止まってしまえば、迷惑をかける人や企業がいつの間にかこんなにも増えてしまった。 …私の想いとは裏腹に秋月雪乃は大きくなり過ぎていた。抱えきれなくなるのは時間の問題だった。
そんな時、事件は起こった。 私が広告塔をしていたアパレルブランドのパクリ疑惑。 それに巻き込まれ、ネットでは叩かれまくった。そして当時付き合っていた彼の浮気が重なりついには笑えなくなった。
契約満期を迎える仕事を全てこなして22歳の時、私は彼とも別れ業界自体を電撃引退してしまった。
自分でも気づいていなかった。 けれども私は「秋月 雪乃」を演じる事に疲れ切ってしまっていた。
周りから見れば全てを手に入れ、ニコニコと笑い実に楽しそうに生きていると見えていた事だろう。