【完】セカンドマリッジライフ

「えへへ。嬉しい。 本当にいいの?
でもね、婚約指輪はいらないの。 結婚指輪だけでいい。 利久さんとお揃いのつけたいッ」

そんな私達の様子を見て、店員のお姉さんは微笑んで「仲が良いんですねぇ」と笑った。

昔から手が子供のように小さいと言われた。
その割に指は長めで、左手の薬指のサイズを測ったら6号だった。 かなり小さめである。

悩みに悩んで決めた指輪はプラチナに小さなピンクダイヤがついた物にした。 利久さんの方はシンプルな奴だ。

直しに出さなくてはいけないとの事で仕上がりは来月になるらしいが、本当に本当に嬉しかった。

帰り道、頬は緩みっぱなしで笑いは止まらない。 そんな私を見て帰りの車内で利久さんは怪訝な顔をする。

「何だよ、さっきからニヤニヤして気持ち悪いな」

「だって、アハハ。すっごい嬉しいんだもん。 当たり前なんだけど結婚指輪貰うの初めてなんだよね。 アハハ~ッ」

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