【完】セカンドマリッジライフ

「仲良くする必要なんてない。 君は早急に仕事を覚える事だけ考えていろ。
田舎の小さな動物病院だが、中々患者が多くて困っていたんだ。
それに田舎特有というか…病院に来るジジババがお見合いを進めて来て断るのに疲れていた所だ」

「アハハ~ッ。さすが田舎~。面白そう!大丈夫!私仕事覚えるの早いと思うし役には立つと思うんだ!
しかもぴちぴちで可愛いからすぐに病院の看板娘になっちゃうかも…!」

大きな声で笑い飛ばすと、利久さんは大きなため息をついた。

眉間の間には大きな皺が刻まれている。 それにしても中々に気難しそうな人だ。定一さんに聞いていたとはいえ。

「…東京から来てこんな田舎は退屈だろう。 どーせすぐに根を上げて出て行くに違いない。
なんせここは雪深く1年の半分は雪に囲まれている街だ。 東京とは違って華やかなスポットもない。
君みたいな若い女の子はインスタ映えやらなんやら華やかな場所が好きだろう」

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