【完】セカンドマリッジライフ

「何だよー…冷たくね?しかしあの雪乃が結婚するとはびっくりなんだけど
業界を引退した時と同じ。 雪乃は何でも一人で決めちゃうんだからー」

「それはまあ、私の人生ですし……」

引退を決めた時私はボロボロだった。 琥太郎に一切の相談はしていない。 それどころかこいつは私が思い悩んでいた頃私の後輩のモデルと浮気をしていたのだ。

琥太郎の浮気癖は付き合い始めた頃から気づいていたけど、目を瞑ってきた。 我慢に我慢を重ねて、あの日一気に爆発してしまったのだ。 まさか私と近しい女と浮気をするとは夢にも思わなかったけど。

「あの雪乃が人妻とか。 俺別れてからずっと後悔してたんだ。やっぱり雪乃が一番だよ」

浮気男の常套句のような言葉を口にするのは実に琥太郎らしい。 女性の扱いが上手で初めはそれも楽しかったものだけど。

「そんな事は今はどうだっていいから。それよりも一体何の用……?」

「やっぱり雪乃冷たい。昔はあんなに優しかったのに。

まあ、いいや。今日は雪乃に話があって電話したんだよ。」

「話……?」

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