【完】セカンドマリッジライフ

何故か嫌な予感がした。

そしてその嫌な予感は当たった。 琥太郎が昔から突然あり得ない事を言い出す性格だとは知っていたけれど、まさかここまでとは…。

「今度ニューヨークの会社と新しい宝石ブランドを立ち上げる事が決まったんだ。
本物の光を照らすっていうテーマを元にさ。
そのブランドのアンバサダーを決めるのが難航していてさ。
俺的には秋月雪乃以外ありえないって話になってて企業側も勿論賛成しててくれて。」

「はぁ?!?!何言ってるの、琥太郎。 私モデルは引退しているんだけど」

「そんなのは知ってるよ。 けれどのえるさんも言ってたけれど勿体ないと思うよ。
お前は才能があるんだ。北海道で結婚してるなんて雪乃には似合わないよ。
全然悪い話じゃない。むしろ誰もが欲しがっている仕事の話だ。  ブランドコンセプトが女神つー事で雪乃にぴったりなんだよ。
どうだろう?俺ともう一度一緒に仕事しないか?  きっと今までに見れなかった世界が見えると思う」

冗談じゃない。  私はもうモデルの仕事はしないと決めたのだ。

< 223 / 284 >

この作品をシェア

pagetop