【完】セカンドマリッジライフ
「あの可愛らしいワンちゃんと猫ちゃん達の名前は…?!」
そう疑問を口に出すと、利久さんは眼鏡の奥の瞳を緩ませて 小さく笑った。
お、笑ったの初めて見たかも。 「何だよ、それ。それってそんな大きな声で今更言う事かよ」と頬を緩ませる。
仏頂面しか見ていなかったので、不意の笑顔に思わずドキドキしてしまった。 …この人笑うと急に優しい顔になる。
つられてヘラっと笑うと直ぐに仏頂面に戻ってしまった。…残念。
「犬はヨークシャテリアの武蔵」
「あ…!宮本武蔵の武蔵ですね?!」
「さあな、本人はどういうつもりで付けたのかは知らん。元の飼い主は武蔵を捨てたんだ。
まあ、人懐っこい犬で特に女は大好きだから君もすぐに仲良くなれるだろう。」
「うれし~い!私犬も猫も大好き~。てゆーか動物全部だいすきなの。…人間と違って綺麗だからさ…」
「綺麗…?」