【完】セカンドマリッジライフ
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目が覚めた時辺りはすっかりと暗かった。
ベッドサイドに椅子を持ってきた利久さんがそこに座り、足を組んだまま目を瞑っていた。 …私どれだけ眠ってしまったのだろう。 ゆっくりとベッドから起き上がると、利久さんがぱちりと目を開けた。
「あ、気が付いたか。具合いはどうだ? 熱が少し高いみたいだから休んでいろ」
怒っているかなと思ったけれど、予想外に利久さんは優しい声を出して私を心から心配しているように見えた。
おでことおでこを合わせて「まだ熱い…」と言う。
「おかゆを作っておいた、食欲はあるか? あるなら直ぐに温める。 ポカリとりんごも買ってきたから持ってくるよ」
椅子から立ち上がり部屋から出て行こうとした利久さんを思わず引き止める。
「利久さん…!待って……
あの…私の話を聞いて下さい…」
慌ててベッドから起き上がると立ち眩みがする。 その様子を見た利久さんが駆け寄ってきて両手で私の体を支える。