【完】セカンドマリッジライフ
「それにしても十月の北海道めちゃくちゃさびぃー…。 これからますます寒くなるんだろう。 俺は一年の半分が雪の場所なんて絶対住めない」
「アハハ、確かにそうかも。 ここは琥太郎の大好きなクラブもないし、飲み屋も駅前に行かないとないしね」
スーツのポケットに手を突っ込んだ琥太郎が前屈みになって私の顔を覗きこむ。
「つーか、びっくりした。 髪をバッサリ切ったなんて。ショートの雪乃って見るの初めてだったかも」
「ハハ。昔は腰まで髪あったもんね」
「長くて綺麗な髪で大好きだった。 あの頃は綺麗な服に身を包んで綺麗なメイクをしている雪乃が俺にとっては当たり前だったから。」
「私ってばすっごい変わっちゃったでしょう? 体重だって3キロも増えちゃった。
なんていっても北海道はご飯が美味しいし、利久さんは料理もスイーツ作りも上手ですっかりとまんまるになっちゃった!
昔みたいなプロ意識もないし、絶対モデルは無理だって思ってたんだけど」