【完】セカンドマリッジライフ
私の言葉に目を細めて、琥太郎はゆっくりと首を横に振った。
「あの頃は全然知らなかったんだ……。 そのままの雪乃がこんなに綺麗だったなんて
ショートも自然な姿もあの頃よりずっと綺麗だと思った…。
それに周りに流されっぱなしの雪乃だったから、俺が多少強引に行けば今回の話も流されてくれるかなーって思ったけど
やっぱり雪乃変わった! まさかあの雪乃が素直に人に甘えて生きていたいなんて言うなんて…」
「琥太郎には見せなかっただけで私ってすっごい甘ったれな人間なんだよ。 今までそれをどう態度で出したらいいか分からなかっただけで。
だから全然かっこよくもないし、自立してる女じゃないんだ」
琥太郎の視線が、少し遠くに居る利久さんへと向く。
再び顔を覗きこんだ彼はふんわりと優しく笑った。