【完】セカンドマリッジライフ
「ああ、ありがとう。往生際悪くこんな所にまで来ちゃってごめんな?
雪乃も体に気を付けて頑張れよ。」
そう言って琥太郎は右手を差し出した。 握手をして互いに笑い合うと過去の全てを思い出に出来た気がして、やけにすっきりとした気分だった。
笑い合ってお別れを出来て良かった。 ずっと引っかかってきたから。
琥太郎達を見送って、ずっと待っていてくれた利久さんと手を繋いで空港を後にする。
空港を出たら秋から冬へと変わっていく空気を感じる。
青い空にうろこ雲が浮かんでいる。 この広大な大地は初めて来た時から相変わらずだ。
立ちはだかる山々はもう既に白く雪化粧がかかっている。山の下は紅葉で色づいていたが高い山はもう雪が降っている。 そう、十月終わり既に北海道は冬を迎えていたのだ。
もういつ雪が降ってもおかしくはない。 人々は憂鬱になる季節かもしれないが、私はワクワクしていた。 またあの冬が巡り来る。