【完】セカンドマリッジライフ
雪が降っている日は実は寒くないんだ。 北海道に来て雪かきを初めてした時に利久さんが教えてくれた事。
確かに。そう感心してしまった。 固定概念で雪が沢山降るから北海道は寒いんだ、と思っていた。
いや、そりゃあ雪が降る街だから寒いのはその通りなんだけど、雪が降らない日の方がよっぽど気温が下がったりする。
雪があるの日の方が温かい。利久さんはその理由を科学的に説明してくれた。 水が雪になるには熱のエネルギーを放出するため、その分周辺の湿度が高くなり北国では雪の降る夜は暖かいというらしい。
冬の晴れた日の方がピリッと風が冷たい。 かまくらが暖かいのはその原理なのではないだろうか。
北海道は暖かい。 東京とは違う。 建物自体が雪を想定されて作られているのもあるのかもしれないけれど、吹きすさぶ風は都会の方が冷たい気もした。
「んふーッ。オムライス、やっぱり美味しい…!
利久さん天才すぎるッ。んもぉー…こんな美味しい料理毎日食べれて超幸せ…!」
とっろとろの卵のオムライス。 それを頬張ると、幸せに似ている味がした。
そんな私をこの一ヵ月利久さんは呆れ返りながら見ていて、そしてすっかりと慣れてしまったようでもあった。