【完】セカンドマリッジライフ

ジッと彼の顔を見ていると怪訝そうに眉をしかめる。 人間嫌いで不愛想。 だけど獣医師として人の前に立つとまるで人が変わったようになる。

でも仕事以外の家での彼は、滅多に笑ったりはしない。 でもこの一ヵ月で気が付いたんだ。 時たま見せる笑顔はとても優しくて、口数は多い方じゃないけれど本当は優しい人だってこと。

だって’加賀美 雪乃’になってからの私は毎日幸せだった。

「何だよ…ニヤニヤして人の顔を見やがって…」

「元々こぉいう顔なんですぅーッ。 それより私ご飯も食べたんで雪はねしてきますッ!」

「ほんっとうに元気だな。休憩中くらい少し休めばいいものの…」

「あらー、利久さんに言われたくないです。 病院が休憩中でも仕事は沢山してるくせに。
じゃあ私行ってきまーす!」

一人ですると言ったのに、利久さんは雪はねの手伝いをしてくれた。 敷地内にある駐車場は結構広く、雪は毎日どれだけはねてもはねても降り積もって行く。

< 37 / 284 >

この作品をシェア

pagetop