【完】セカンドマリッジライフ

再び雪かきを始めると利久さんは「おい、」と私を呼んだ。
振り返ったら彼が投げた雪玉が顔に命中する。 

「ひどッ!顔にあてるなんて…!」

「ふん、人を年寄り扱いしたバツだ。誰が反射神経が鈍ってるだ」

「もぉーーー!!!利久さんなんてこうなっちゃえー!!」

「ざけんな!俺の方が雪国生活は長い。舐めるな」

足元に貯めていた雪玉を間発入れずに彼の体へと投げつけて行く。 スコップを置いた利久さんもムキになって私目掛け雪玉を投げつける。

自然に笑みがこみ上げて行く。

ちょっと負けず嫌いな利久さんの一面。 雪まみれになりながらも彼が少しずつ笑顔になっていくので嬉しくなってしまう。

私の雪玉を避けようとして利久さんの足元が滑ってその場で転んでしまったので、思わず大声で笑ってしまった。

「あははははは~!!転んでやんの!!」

両手で雪をすくい上げて利久さんの方へ投げ出すと、雪の結晶が空気中に舞ってキラキラと輝く。

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