【完】セカンドマリッジライフ

定一(サダイチ)さんから話は聞いてるでしょう? お願い…!私と結婚して」

「馬鹿なジジイの死に際の戯言だと思っていたのにまさか本当に送り付けてきやがるとはな…」

「あーッひっどーい!定一さんはまだまだ若いもん。まだ死なないでしょう?
私の欄は記入しているし後はあなたの欄だけ、ちゃっちゃっと記入しちゃってよ!」

「…記入しちゃってって…俺と君は今日出会ったばかりだろう…?!本当に本気か…?」

「OKをしたのはあなたでしょう?今更ビビるなんて男らしくないんじゃないの?往生際が悪いわよ」

差し出したのは婚姻届け。
これから結婚をし共に生活を送る男女が酌み交わす契約書である。
本来であるならば、出会って数分の男女間の間で行われる契約ではない。


結婚とは、互いの未来を誓い合った二人が夫婦になる為の神聖な儀式だ。 こんな軽々しく決めていいものではない。 しかしそんな事は誰が決めた。

私は私。彼は彼で、誰かと結婚しなくてはいけない理由があったのだ。

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