能力を失った聖女は用済みですか?
躊躇っていると、可愛らしい声の誰かがとても偉そうに私を呼んだ。
『これ娘。妾に尻を向けるとは良い度胸じゃな』
ババ臭く変わった喋り方。
特徴のあるその声は、つい最近聞いたことがあるもの。
私はすぐに振り返った。
「……あ!あなた。キドニー集落の……亡霊……」
『誰が亡霊じゃ!そんなものと思われておったとはな……全く、お主、まかりなりにも聖女であろう?聖女が見るものと言えばあれしかなかろうがー!』
薄紫のドレスの少女は、憤慨してキャンキャン吠えた。
しかし、話し方がババ臭いせいで、面白おかしい腹話術に見えてくる。
込み上げる笑いを堪えながら、私は少女の言葉の意味を考えた。
亡霊ではなく、聖女であれば見えるもの。
イモ畑に現れたと思えば、突然消えるイリュージョン。
薄紫のドレス、薄紫の瞳……。
「もしかして……」
『うっかりな聖女も、さすがにもう気付いたようじゃな?そう妾が……』
「おイモの精霊さんっ!?」
力強く叫ぶと、少女は目を見開いた。
しかしその様子は、当てられて驚いたというよりも「何言ってんだ、お前」という表情である。
「あ、あれ?違いましたか?」
『……いや、うん。ええと、だな。聖女よ、おイモの精霊というのは、もともと存在しない。イモは緑と豊穣の精霊の管轄じゃ』
「では、あなたが緑と豊穣の精霊?」
紫の服を着てるから、てっきりおイモの精霊だと思ったじゃない。
それに、緑と豊穣の精霊なんて初めて聞いた。
ロランでは、水の精霊、火の精霊、風の精霊というポピュラーな精霊としか話したことがなかったから。
『これ娘。妾に尻を向けるとは良い度胸じゃな』
ババ臭く変わった喋り方。
特徴のあるその声は、つい最近聞いたことがあるもの。
私はすぐに振り返った。
「……あ!あなた。キドニー集落の……亡霊……」
『誰が亡霊じゃ!そんなものと思われておったとはな……全く、お主、まかりなりにも聖女であろう?聖女が見るものと言えばあれしかなかろうがー!』
薄紫のドレスの少女は、憤慨してキャンキャン吠えた。
しかし、話し方がババ臭いせいで、面白おかしい腹話術に見えてくる。
込み上げる笑いを堪えながら、私は少女の言葉の意味を考えた。
亡霊ではなく、聖女であれば見えるもの。
イモ畑に現れたと思えば、突然消えるイリュージョン。
薄紫のドレス、薄紫の瞳……。
「もしかして……」
『うっかりな聖女も、さすがにもう気付いたようじゃな?そう妾が……』
「おイモの精霊さんっ!?」
力強く叫ぶと、少女は目を見開いた。
しかしその様子は、当てられて驚いたというよりも「何言ってんだ、お前」という表情である。
「あ、あれ?違いましたか?」
『……いや、うん。ええと、だな。聖女よ、おイモの精霊というのは、もともと存在しない。イモは緑と豊穣の精霊の管轄じゃ』
「では、あなたが緑と豊穣の精霊?」
紫の服を着てるから、てっきりおイモの精霊だと思ったじゃない。
それに、緑と豊穣の精霊なんて初めて聞いた。
ロランでは、水の精霊、火の精霊、風の精霊というポピュラーな精霊としか話したことがなかったから。