能力を失った聖女は用済みですか?
『違う。妾は精霊ではないぞえ?』

少女は楽しそうに首を振ったけど、私はまた混乱した。
そして、キドニー集落でも、混乱させられたことを思い出しイラッとした。
精霊ではない?
確かに、姿がハッキリ見えるから精霊ではないと思ったけど……だったら何なのだろう。

『まぁ、仕方なかろうな。妾も降臨するのは久しぶりなのじゃ。特別に名乗ってやろう』

「こ、降臨……?」

『ふふふ。妾の名は地母神ガラティア。大地と豊穣を司る神じゃぞ?』

「……じ、地母神って……精霊と何か違うの?」

私がポカンとして問いかけると、隣に座したディアーハがヒイッと叫ぶ。
そして、問いかけられた少女……いや地母神ガラティアはプルプルと震え始めた。

『お、お主……考えればわかろうが。精霊<地母神じゃろ?そうじゃろ?なぁ、聖獣よ!』

「は、はい!地母神様の仰るとおりだ!面目ない!うちの聖女ときたら、ぼんやりでうっかりな上に力を失くしてて……」

ディアーハは慌てて言い訳をする。
聖獣がここまで恐れるんだから、地母神というのはとんでもなく力があるのに違いない。
だけど、神霊や精霊の序列なんて知らない。
誰も教えてくれなかったもん。
私の考えをよそに、ガラティアはポンっと手を打って何やら納得していた。

『おお、そうであったよな。しかし、それは失くすというより、邪魔されたが正しかろう?』

「えっ?じ、邪魔……邪魔って、どういうことでしょう?」

私はガラティアに詰め寄った。
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