能力を失った聖女は用済みですか?
「今度は正式な手順を踏んで乗り込んで来る気だろうが、何も心配はいらない。お前は俺の隣で堂々と座っていればいい」

「大丈夫でしょうか……私のせいでロランと揉めるなんて、申し訳ないです……」

「そんなことにはならないと思う。シャンバラ王妃であるルナを無理矢理連れ戻すのは諸外国の反感を買う。ロランもそれは望まないだろう」

「王妃……でも、偽物ですよ?」

あれは、ロランを牽制するために放った嘘であって、実際に私は王妃ではない。
王宮内でも関係は前と変わらず、はっきり言って、そんな甘い雰囲気は全くないのである。

「偽物じゃない。本物の王妃だぞ?」

「は?え……ん?あれは、私を守るための嘘では?」

「嘘じゃない!」

カイエンはきっぱり真顔で言いきった。
あれ?どういうこと?
高度な策略じゃなくて……本当の婚姻だったの!?

「それでいいんですか!?カイエン様はあの場の勢いで、私みたいなオバ……年上の女を嫁にもらっていいんですか!?」

私は叫んだ……。
危うく自分でオバサンといいかけて少し悲しくなったけど、それよりも驚きが強かった。

「勢いじゃない!俺はルナのことを好ましいと思うし、王妃として最適だと考えている」

「……聖女だからですか?」

「いや。聖女だと知る前から計画はあったな」

計画て、何の!?
私は心の中でツッコミを入れた。
飄々と喋るカイエンにイライラし、意味のわからないことを言われてモヤモヤする。
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