能力を失った聖女は用済みですか?
寂れた門を進み、幾つかの民家を通りすぎると、やはり中央に大きな建物がある。
アルバーダよりは随分大きくて、石造りの立派な建物だ。
しかし、その立派な建物は土埃でかなり汚れている。

「どうします、カイエン様?中を確かめてみますか?」

先頭を行くイズールが尋ねた。

「そうしよう。誰かいればいいんだが……」

カイエンが答えると、急に集会所の扉が開いた。
顔を覗かせたのは若い男の村人でビクビクしながらこちらを見ている。

「だ、誰だ?」

「突然すまない。オレ達はシャンバラから来た。ロランの現状を知って、何か出来ないかと食糧などを持ってきたのだが」

「シャンバラ!?あんた達、シャンバラから?」

「そうだ」

カイエンが頷くと、男はさっと集会所内へと姿を消した。
中で話している声がするけど、何を言っているのかはわからない。
私とカイエンは顔を見合せ、暫く事のなりゆきを見守った。
すると、観音開きの扉が完全に開いて、今度は年配の女性が現れた。

「ようこそ、シャンバラの皆様。私は代表のリーザと申します」

「オレは……カイエンという。こっちはルナ。後はシャンバラの兵士達だ」

さすがに「国王だ」とは言えないよね。
相手がびっくりしてしまうわ。
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