能力を失った聖女は用済みですか?
「それで、食糧を持ってシャンバラから来て下さったんですね、私達の心を不安から解き放つために」

リーザは言った。
彼女は、私が聖女だと知った時から敬語になった。
やめて欲しいと言っても直らないので、もうそのままにしている。

「はい。食が満たされれば、多少なりとも気力が回復するでしょうから」

「そして、結界が弱まったところで、地母神様が封印をするんですね!なんと、素晴らしい作戦でしょうか!それにしても、精霊のみならず神まで味方につけてしまうとは聖女様のお力の強さに頭が下がります!」

「い。いや、それほどでも……」

リーザやワトからは尊敬と敬愛の感情が駄々もれだった。
でもそれは、シャンバラで知らず知らずのうちに行ってしまった布教活動のせい。
完全な棚ぼたである。
楽しく労働していただけで、地母神来ちゃってスミマセンと言いたいくらいだ。

「しかし、まだわからないことがあるのです。カイエン王は何故村を捨てるな、と言ったのでしょうか?」

リーザはカイエンへと視線を向けた。

「君達はニーベルン国の話を知っているか?」

「ニーベルン……滅びた国ですね?大帝国を築きながら、一年足らずで地図から消えた……そのくらいのことしか知りませんが」

「ニーベルンを滅ぼしたのも同じ邪神のようなのだ」
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