能力を失った聖女は用済みですか?
「まさか……」

口を覆うリーザは、ワトと顔を見合わせた。
二人はそれが何を意味するかを知ったのだ。
このままだと、ロランが辿るのも滅びの運命だということを。

「ニーベルンの昔話では、邪神に誑かされた王を見限って、民が国を捨てた。誰もいなくなった地は、もう国とは呼べない。その瞬間、彼の国は廃墟になった」

「それは、つまり……」

ワトがカイエンに次の言葉を迫る。

「不安を煽り、食いつくし、やがて人がいなくなったら、容赦なく潰す。それが邪神の目的だ。だから村を捨てないでくれ。ここで踏ん張って欲しいんだ!」

「……なるほど。村を捨てれば、邪神の思うつぼ……という訳ですね」
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