能力を失った聖女は用済みですか?
それから、方針が決まったレミ村では、シータによる布教活動が開始された。
最初からそのつもりだったのか、お手製のビラまで持参していたのにはかなり驚いた。
聞くと、空いた時間に子供達と作ったのだという。
そのビラには「おイモの精霊さん」こと、地母神ガラティアの強大な力と慈悲深さについて細かく記されている。
強大な力はまだしも、慈悲深さはどうなのか。
私の知っているガラティアは、信仰集めに熱心な、新興宗教の教祖様のような神である。
だけどこれで、ガラティアの力が増すならありがたいことだ。

布教のかいあってか、シャンバラ一行がレミ村を去る頃には、そこらかしこでガラティアに祈りを捧げる姿が見えた。
空腹が満たされ、精神的な拠り所を見つけた人々の心は、すっかり平安を取り戻している。
私達は、安心して次の村に向かい馬車を進めた。
しかし、それを止める者がいる。

「カイエン様、聖女様!待ってくださーい!」

息を切らせて一行に追い付いて来たのはワトだ。
イズールが急いで隊を止め、カイエンが窓から顔を出すと、ワトは息を整えながら訴えた。
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