能力を失った聖女は用済みですか?
「呼び止めてしまってすみません!」

「いや、構わないが。どうした?」

「あの……ほかの村でも同じように説明して回るのですよね?」

「ああ。そうだ」

私は、馬車の中から二人の会話を聞いていた。
王都までには、あと何ヵ所か村や町がある。
当然、レミ村のように、素直に信じてくれる人ばかりではない。
骨の折れる任務になるかもしれないな。
そう考えていると、ワトが言った。

「僕も連れていって下さい!他の村とも交流があるし、ロランの人間がいる方が話が早いでしょう。当事者ですからね!」

「……なるほどな。それはいい考えだが、村はいいのか?リーザは許したのか?」

「もちろんです。母にはロランのレミ村代表としてがんばってこい!と言われました」

「そうか……では、力を貸して貰おう!」

カイエンは馬車の扉を開けて、ワトを招き入れた。
にっこり微笑み、空いていたシータの隣に腰かけるワト。
骨の折れる任務は、彼の同行により格段に難易度が下がった。
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