能力を失った聖女は用済みですか?
「カ、カイエン様?隣にいますか?」
「いるぞ、すぐ側だ」
近くから聞こえた声に安堵すると、直後、誰かが手を握った。
「え、えっと、この手はカイエン様……ですか?」
「……はぐれてしまわないようにな」
「はい……」
繋いだ手から暖かさが伝わる。
絶望に覆われた深い霧の中でも、こうして手を繋いでいると不思議と何も怖くなかった。
「仲がいいですね。少し妬けますよ」
霧の中から、ラシッドの声がした。
前方にいたはずの彼の声が、なぜか耳元から聞こえ、私は首を傾げた。
いつの間に移動したんだろう。
不思議に感じていると、今度は別の声が耳元で聞こえた。
『ようこそ。私の世界へ。絶望の領域へ』
冷たく、淡々としたその声は、女のようであり、男のようであり……。
しかし、どちらでもないような気もした。
ただわかったのは、霧を作り出した張本人が声の主だと言うこと。
つまり……『邪神』だ。
「いるぞ、すぐ側だ」
近くから聞こえた声に安堵すると、直後、誰かが手を握った。
「え、えっと、この手はカイエン様……ですか?」
「……はぐれてしまわないようにな」
「はい……」
繋いだ手から暖かさが伝わる。
絶望に覆われた深い霧の中でも、こうして手を繋いでいると不思議と何も怖くなかった。
「仲がいいですね。少し妬けますよ」
霧の中から、ラシッドの声がした。
前方にいたはずの彼の声が、なぜか耳元から聞こえ、私は首を傾げた。
いつの間に移動したんだろう。
不思議に感じていると、今度は別の声が耳元で聞こえた。
『ようこそ。私の世界へ。絶望の領域へ』
冷たく、淡々としたその声は、女のようであり、男のようであり……。
しかし、どちらでもないような気もした。
ただわかったのは、霧を作り出した張本人が声の主だと言うこと。
つまり……『邪神』だ。