能力を失った聖女は用済みですか?
「今更かよ……いや、それどころじゃねぇな」

「聖獣ディアーハ、ここから逃れることは可能か?」

カイエンは尋ねた。

「無理だ」

絶望的な即答は、私にしか聞こえない。
でも、カイエンは沈んだ私の表情で理解したようだ。

「わかった……それなら、なんとか時間を稼ぐことに集中しよう」

「あ、そうか。待つんですね?」

待つと言えば……そう、地母神ガラティアだ。
ロラン国民の不安が薄まれば、結界の隙が生じる。
その機に乗じて、封印をする作戦だった。
だけど、その前にこっちがやられてしまう可能性の方が高い気もする。

「おいおい。呑気だな。今は邪神の気まぐれで生かされてるに過ぎねぇんだぞ!」

ディアーハが怒鳴った。
座ったままの邪神は、感情の見えない目で私達を見ていて、態度には余裕が感じられる。
また美しく艶やかな姿が、より一層怖さを強調した。
きっと、相手にもならない、と思ってるんだろうな。
神と人間、天と地ほど力の差がある両者の戦いなんて結果は見えてる。
だけど、こっちも覚悟を決めて来てるんですよ!
負けるわけにはいかないんですっ!
< 188 / 204 >

この作品をシェア

pagetop