能力を失った聖女は用済みですか?
『良くやったぞ。各地で上手く事を運んだようだな』

ディアーハは周りの安全を確認して、私とカイエンをガラティアの元まで運んだ。

「あ、ありがとうございます。でも、来るの早かったですね」

『うむ。思ったよりも結界の弛みが早くてのう。ロランの民をどう言って妾の信者にしたのか知らぬが、ここに来る途中の村なぞ、妾の石像が建っておったりして……漲る信仰に、奮起してしもうたのよ』

「せ、石像……ですか?へぇー……」

胸を張るガラティアに、笑って頷き返しておいたけど、本心ではドン引きしている。
一体、シータとワトはどんな布教をしたの!?
こんな短期間で石像が建つなんて……地母神が張り切って来るはずだわ。

『この王宮最後の結界も、お主によって弱められたからのう。何の問題もなくここまで来れたのだっ』

「えっ?それどういう意味ですか?」

私によって王宮の結界が弱まった?
おかしいな。
だって、何もやってないんだもん。
やったことと言えば、ルナシータを食べていただけだ。

『は?わかっておらんのか?王宮の結界も国の結界と同じ、恐怖や不安で強度を上げる。しかし、豪気な聖女はあろうことか邪神の前で菓子を食うと言う暴挙に出て、負の感情を消したのじゃ!』

ガラティアは勝ち誇ったように笑った。
つまり……一旦落ち着こう作戦で貪ったルナシータが、結界を弱めたということ?
食べて不安を払拭したから、結界が弱まって、ガラティアがすんなり入ってこれた、と!?

「うわ。なんて安易な……」

『何を言う。お主が単細胞なお陰で、世界が救われるのじゃ!誇れ!』

無理、誇れない。
単細胞といわれて、誇れる人がいるなら見てみたいわ。
でも、そのお陰で全てが上手く言ったのなら、もう何もいうまい。
単細胞万歳……と思っておくわ。
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