先生と生徒の関係
ホントの気持ち
ようやく9月。
勉強も遊びも頑張った夏休みが終わった。
クラスでは夏休みの話をする人がほとんど。
キーンコーンカーンコーン
実力テスト1時間目のチャイムが鳴った。
夏休みで身につけた学力を発揮しよう!
と思い頑張ってやった。
夏期講習でやった問題がたくさん出てすべての教科でできたように感じた。
次の日
全てのテストが返ってきた。
定期テストよりも10点から20点ぐらい上がっていて頑張って良かったと思った。
真っ赤に染まる空をぼんやりと見上げながら塾に向かっていた。
今日はなんだか足が軽い。
ガシャ
「こんばんは。川中」
「こんばんは」
「あのね、見せたいものがあるの!
時間ある?」
「少し待っててくれる?」
「少し待ちます!」
「上の自習室で待ってるんで来てね」
といいながらルンルンと階段を登っていった。
最近は毎日のように会って喋ってるからタメ口で話すようになってきたけど、やっぱりあの感情はわかっていない。
半分モヤモヤ半分嬉しさだ。
そんなことを考えているうちに川中が来てくれた。 
「るあ、どうした?」
「なんか相談したいことでもあった?」
心配そうな話し方で聞かれたけど
「いえ、相談じゃないです」
「一番最初に伝えたいって思ったのが川中だったから呼んじゃった!」
なんで私先生なんかにテスト一番最初に見せたいの?普通だったら親か親友でしょ!

もしかして…本当に…先生のことが好きになっちゃった??
これが「恋」ってものなの?
落ち着いて・冷静に・今は目の前に先生がいるんだよ
「るあ?何を伝えたかったの?」
「これ、見て!」
答案用紙を開いて見せた
「これほんとにるあの解答用紙?」
「そうだよ。なんでそんなこと言うの?」
私めっちゃ馬鹿扱いされてんじゃん!!
もう最悪。 
と思った瞬間
「えま、頑張ったな」
爽やかな笑顔で言ってくれた
「僕、すごく教えやがって嬉しいよ」
「一番最初に見せてくれてありがとうね」
「じゃあ今からも頑張ってね」
と行って遠ざかっていく川中を見ていた。
「川中!」
無意識のまま先生の名前を呼んでいた。
「どうした?」
とっても驚いたような声で返事をしていた。言っていいのかわかんなかったけれど
「川中は先生に恋したことある?」
「いや、ないけど…急にどうした?」
「気になっただけ!」
「もう一つ質問いい?」
「いーよ」
「先生を好きになるっていけないことですか?」
やっと聞けた。
「いいと思うけど叶わない可能性は高いと思うよ。しかも年齢差があるから下手したら先生の方が迷惑って思うかもしれないからね」
「答えてくれてありがとう。また何かあったら相談乗って欲しい」
「いよ。じゃ!」
川中気づいちゃったかな。少しは気づいて欲しいって気持ちはあった。けど、気づいてしまったらどんな反応するんだろう。少し怖い感じ。
その日以来川中と少し距離を置くようになった
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