妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 いつの間にかフィンラスとカテリアーナのそばに来ていたレイナードが説明をしてくれる。

「まあ、ではこちらの赤い粉は何というのかしら?」
「そちらは唐辛子といいまして、同じく香辛料です」
「ではこちらの黄色の粉は?」
「それは……」

 矢継ぎ早に質問するカテリアーナにレイナードは丁寧に答えてくれる。

「いろいろな種類の香辛料があるのね。どれも初めて見たわ」
「カテリアーナ姫は王女でいらっしゃいます。香辛料は主に料理に使われるものですから、ご存じないのも無理はございません」

 料理は王族には縁がないものというのは誰しもが思うことだろう。レイナードはカテリアーナの境遇を知らない。まさかカテリアーナが料理をするとは夢にも思っていないだろう。

「香辛料は妖精の国では人気があるのかしら?」
「ええ。エルファーレンやカリュオンのように人間側の大陸に近い国では人気があります。反対に遠い国ではあまり人気がありません。特にハイエルフは肉や魚を食べない種族と聞きますので、きっと売れないでしょうね。まだ商いの交渉ができておりませんが……」
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