受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
「……おまえかぁ」
戦意喪失したように、レーヴの目が落胆の色に染まる。
目の前には、馬。
黒々とした毛艶の良い青毛の馬が、「お呼びでしょうか」と臨戦態勢でレーヴを見ている。
待望の馬だというのに、レーヴは気乗りしなかった。
理由は一つ。目の前の馬は、脚が遅いのである。
馬にしては美形な顔だちなので生徒たちからも人気があるのだが、残念なことに駑馬なのでもっぱら観賞用になっているのだ。
ロバよりマシだと思うべきなのか。
やる気に満ち溢れた視線を送られても、レーヴの気持ちは動かない。
軍事パレードだけ参加するのであれば、見目は良いので自慢になったかもしれない。
だが、今は緊急事態なのである。今は見目よりも、速さを求めている。
戦意喪失したように、レーヴの目が落胆の色に染まる。
目の前には、馬。
黒々とした毛艶の良い青毛の馬が、「お呼びでしょうか」と臨戦態勢でレーヴを見ている。
待望の馬だというのに、レーヴは気乗りしなかった。
理由は一つ。目の前の馬は、脚が遅いのである。
馬にしては美形な顔だちなので生徒たちからも人気があるのだが、残念なことに駑馬なのでもっぱら観賞用になっているのだ。
ロバよりマシだと思うべきなのか。
やる気に満ち溢れた視線を送られても、レーヴの気持ちは動かない。
軍事パレードだけ参加するのであれば、見目は良いので自慢になったかもしれない。
だが、今は緊急事態なのである。今は見目よりも、速さを求めている。