訳アリ令嬢ですが、憧れの公爵様に溺愛されています!
 
 なぜ過去あんなにもお怒りになっていたお父様がすぐに快諾されたのか、とっても疑問です。お兄様は楽しそうで、お母様は「ローズがお嫁に行くなんて寂しいわ」としんみり。
 
 容姿端麗な王宮魔術士で、エルフィストン公爵であるお方と、花魔法しか使えない私。どう考えても不釣り合いなのに、あっさりと婚約を進める雰囲気に驚きと戸惑いを隠せません!

 明日には公爵邸にご挨拶に向かうことになってしまい、私は混乱の真っ只中です。
 ウィルは、「また明日迎えに来る」と言って帰っていきました。



 夕食の席では、「ローズに公爵夫人が務まるのか」という議題でお父様とお兄様が盛り上がり、お母様は婚礼の衣装についてワクワクし始めるカオスな状態でした。
 使用人の皆さんも、私がキズモノだからお嫁に行くのは難しいと思っていたのか、まさかの玉の輿に早くもお祝いムードです。
 いつもより豪華な夕食、美味しいです…。

 ですが…ウィルは私の胸の傷痕を確認したいだけ。婚約が成立したら傷痕を見て、そして婚約破棄されるのかもしれません!

 その場合、私はキズモノかつ公爵様に捨てられた哀れな伯爵令嬢…。こんなに皆喜んでくれているのに、申し訳ないです…。

 きっとお嫁に行くのは難しいので、予定通りお花屋さんを開店するにしても、キズモノで婚約破棄済だと、縁起が悪い気がしますね…。前途多難です。
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