エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
(とりあえず、今晩、泊まるところを探さないと。お金を使いたくないからネットカフェに行こうか。でも、こんな格好で怪しい人だと思われないかな。店員さんに、顔を見せてくださいと言われたら困る……)
詩織はチューリップハットを被り、色付きの大きな眼鏡とマスクで顔を隠している。
犯罪者ではないが、今や彼女は時の人。
世間から大バッシングを受けて、心はボロボロだ。
人が怖くてたまらないのに加え、疲れ果てて、思考もうまく働かない。
目的地があるわけではないのに、夕日の届かぬ薄暗い住宅街の路地をただフラフラと進んでいたら、突然、目の前に男が立ち塞がった。
肩を揺らして足を止めた詩織に、カメラのフラッシュがたかれる。
それを避けようとしてよろけたら、駆け寄ってきた別の男に腕を掴まれた。
支えの手ではない。
獲物を逃がすまいとの意図を感じる手に、詩織は恐怖する。
さらにもうひとり加わり、詩織は男三人に囲まれてしまった。
容赦なくフラッシュを浴びせられ、スクープとばかりの嬉々とした声をかけられる。
「事務所から契約を打ち切られた件について、お話を聞かせてください」
詩織はチューリップハットを被り、色付きの大きな眼鏡とマスクで顔を隠している。
犯罪者ではないが、今や彼女は時の人。
世間から大バッシングを受けて、心はボロボロだ。
人が怖くてたまらないのに加え、疲れ果てて、思考もうまく働かない。
目的地があるわけではないのに、夕日の届かぬ薄暗い住宅街の路地をただフラフラと進んでいたら、突然、目の前に男が立ち塞がった。
肩を揺らして足を止めた詩織に、カメラのフラッシュがたかれる。
それを避けようとしてよろけたら、駆け寄ってきた別の男に腕を掴まれた。
支えの手ではない。
獲物を逃がすまいとの意図を感じる手に、詩織は恐怖する。
さらにもうひとり加わり、詩織は男三人に囲まれてしまった。
容赦なくフラッシュを浴びせられ、スクープとばかりの嬉々とした声をかけられる。
「事務所から契約を打ち切られた件について、お話を聞かせてください」