エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
「憧れじゃなくて恋。美緒、先生のことだーい好き。先生、美緒をお嫁さんにしてね」

矢城は苦笑して美緒の頭を撫でる。

「うーん、現時点で未成年はちょっとな……。美緒ちゃんが二十歳になったら、俺は今よりさらにおっさんだぞ」

不満げに膨らんだ美緒の頬を突つき、矢城が詩織に顔を向けた。

「詩織ちゃんは対象内だよ」

無精ひげを生やし、寝ぐせで髪が跳ねていても、矢城の流し目は蠱惑的だ。
思わず詩織の心臓が波打つ。

(冗談だとわかっているのに、ドキッとしてしまう……)

すると、それまでひとりだけ我関せずで仕事をしていた赤沼が、眉間に皺を寄せて矢城を見た。
非難めいたその視線に気づかないのか、それとも意に介していないのか、矢城は声に色気を含ませてさらに詩織をからかう。

「別嬪さんがいると、事務所内が華やぐよなぁ」

詩織は背中の中ほどまである艶やかな黒髪をひとつに結わえている。
百六十センチのスラリとしたスタイルで、胸やお尻は適度な厚みがあり、綺麗と可愛らしさを併せ持った美人顔。
膝下丈タイトスカートと、白いブラウスに紺色カーディガンという地味な服装をしていても、美しさは隠せない。

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