エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
十二時を過ぎて、美緒が目を覚ました。
布団に身を起こした彼女のそばにいき、額に手を当てる。
頬の赤みは若干引いて、帰宅時より熱は下がっているのではないだろうか。
「体温計ある?」と問いかけた詩織に、美緒のぼんやりとした視線が向けられる。

「詩織ちゃん、ずっとここにいたの?」
「いたよ。細貝さんが帰るまでいるからね。お腹空いてない? お昼ご飯、食べられそう?」
「うん。食べたい。いい匂いがする……」

詩織はすぐにこたつテーブルに食事を並べる。
卵粥と野菜のスープ、小さめにカットしたりんごだ。
テーブルに向かう美緒は、目を丸くしている。

「シチューや茶わん蒸しもあるよ。そっちの方がいいかな。うどんも作れるよ?」

スプーンを持とうとしない美緒を見て、お粥は苦手だったかと思った詩織だが、美緒は首を横に振った。

「こういうの初めてだから、びっくりしちゃって」
「こういうのって?」

「友達が言ってたんだ。風邪引いたらお母さんがお粥を作ってくれるって。美緒はお母さんいないしお父さんは難しいもの作れないから、ご飯はいつもと同じで……。お粥って特別な感じがするね。嬉しい!」

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