エリート弁護士は、溢れる庇護欲で年下彼女を囲い込む
美緒と過ごす時間は思いの外、癒される。
すりガラスから春の柔らかな日が差し込んで、優しくふたりを照らしていた。
「行ってきます」
法律事務所を出た詩織は、今日も電車に乗る。
市役所や裁判所で証明書を発行してもらったり、書類を提出したりするためだ。
外出しての雑務を詩織が担えば、赤沼が他の仕事に時間を割ける。
そうすると矢城の机上の書類の山も、減るスピードが上がるだろう。
誰かの役に立てるというのは嬉しいことで、詩織はやりがいを感じている。
けれどもやはり不安は消えてくれず、マスクと眼鏡なしでは外出できない。
世間が早く自分の存在を忘れてくれるのを願う毎日である。
用事を済ませた詩織は、商店街まで戻ってきた。
買い物客で賑わうのは昼と夕方で、今は人通りがまばらだ。
総菜屋の前を通ろうとしたら、揚げたてのコロッケの香りに誘われる。
頭に浮かんだのは、美緒の笑顔だった。
熱を出して早退したのは先週のことで、もうすっかり回復し、今朝も元気に登校していった。
すりガラスから春の柔らかな日が差し込んで、優しくふたりを照らしていた。
「行ってきます」
法律事務所を出た詩織は、今日も電車に乗る。
市役所や裁判所で証明書を発行してもらったり、書類を提出したりするためだ。
外出しての雑務を詩織が担えば、赤沼が他の仕事に時間を割ける。
そうすると矢城の机上の書類の山も、減るスピードが上がるだろう。
誰かの役に立てるというのは嬉しいことで、詩織はやりがいを感じている。
けれどもやはり不安は消えてくれず、マスクと眼鏡なしでは外出できない。
世間が早く自分の存在を忘れてくれるのを願う毎日である。
用事を済ませた詩織は、商店街まで戻ってきた。
買い物客で賑わうのは昼と夕方で、今は人通りがまばらだ。
総菜屋の前を通ろうとしたら、揚げたてのコロッケの香りに誘われる。
頭に浮かんだのは、美緒の笑顔だった。
熱を出して早退したのは先週のことで、もうすっかり回復し、今朝も元気に登校していった。